DOCTOR MESSAGE

眼科 加藤秀紀

車窓から見える病院

小学生の時分、学校健診での視力検査が大キライでした。自分は小学校低学年の頃から近視でした。大人になった今では近視は身体的個人差にすぎず病気でも何でもない事は理解できるのですが、みんながいる所で大きな視力検査の指標が見えない事をさらしてしまうのはとても嫌でつらい気持ちになりました。と同時に目に興味を持つきっかけにもなりました。

高校生の時分、通学する電車の車窓から見えるある建物に心を奪われました。周囲が田畑ばかりの場所に建った割と立派な建物が大学病院であることを知り、自分は将来あの建物で働きたいという明確なヴィジョンを持つようになりました。

研修医の2年間、また眼科医になって5年間、高校生の時にあこがれていた建物で仕事をする事は実現できました。そして今、隣接する当院でお仕事をする機会に恵まれ現在に至っております。

不安や心配を抱える患者さんへ

病院を受診される時はほとんどの方が不安や心配で頭の中がいっぱいと思います。病気は誰にとっても怖いものですから、そのような状態になるのは当然です。更に言えば、不安や心配になるのは人間の高等な感情の1つと言えます。病気に対して生きる事に対して本気で向き合っているからこその事です。不安や心配をたくさん持った状態で是非当院へお越しください。

前向きになれる治療を目標に

病気には治るものと治らないものがあります。治るものの代表として眼科では白内障が挙げられます。白内障は根治治療として手術が有効で、手術を受ければ今までよりも見やすくなりますので基本的には手術を受けることをお勧めします。とは言っても心配で手術に踏み切れない方もいるでしょう、当然のことです。当院で手術を受けられる皆様が、手術前の不安は少しでも少なく、手術後の満足感はできるだけ高くなるように、しっかり背中を押し気持ちを支えていきます。そして回復までのプロセスを一緒に駆け抜けていきましょう。

また、高齢になると比較的多くの方が自覚する症状の1つに涙目があります。涙の通り道が詰まってしまい涙が回収されずに目の表面に残ってしまうことが主な原因です。詰まってしまった涙の通り道にストローのような細いチューブを挿入することで、涙の通りが良くなり涙目が改善することが期待できます。涙目の治療をしている眼科はあまり多くないですが当院では積極的に行っております。涙目が気になっている方は是非一度お越しください。

そして残念ながら病気には完全には治らないものが多く存在します。治らない病気との向き合い方、上手な付き合い方を一緒に見つけていきましょう。
治療となると投薬や手術が中心になりますが、自分は病気と向き合っている方にそれ以外の何かを提供したいといつも思っています。こちらの向き合う姿勢、前向きになれる一言など、投薬や手術はそれ自体は有限ですが、その周りに付随する何かには無限の付加価値があると思っています。診察の最後に「安心しました」と言ってもらえることを一番の目標として日々の診療に取り組んでいます。