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外来案内

呼吸器内科

担当医師スケジュール

受付時間 午前 8:30〜12:30 午後 13:30〜17:30

TEL:04-7169-8991(外来直通)

 
呼吸器内科 午前   秋葉   秋葉 秋葉  
午後 千田       秋葉
受付15:00まで
 

スタッフ

  • 秋葉 直志(呼吸器専門医・指導医、呼吸器外科専門医・指導医、外科専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医、胸部外科指導医、肺がんCT検診認定医師、消化器外科認定医、元慈恵医大柏病院長、東京慈恵会医科大学 客員教授)

呼吸器内科について

呼吸器内科は肺や気管気管支や縦隔、胸部に関する疾患や症状などをきたす疾患を診察する科です。 検診や検査で胸部レントゲン異常を指摘された場合や、呼吸困難・息苦しさ、咳(せき)や痰(たん)や血痰(けったん)、胸痛や胸の症状などがある場合にCTやMRI、DWIBS検査などの画像診断も参考に診断・治療しています。

疾患としては喘息、咳喘息、アレルギー、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、風邪(上気道炎)、気管支炎、気管支拡張症、肺炎、結核、非結核性抗酸菌症、胸膜炎、胸水、気胸、肺がん、良性肺腫瘍、縦隔のう胞、縦隔腫瘍、胸壁の病変などがあります。

呼吸器内科の主な検査

血液検査

貧血、炎症、肝障害、腎機能、アレルギー検査、間質性肺炎の程度などを調べる検査です。

アレルギー検査

アレルギーの有無やアレルギーの元になるアレルゲンを調べる血液検査です。

喀痰細菌検査

痰の検査をして、細菌やカビがあるか調べる検査です。

肺機能検査

肺活量や息を吐く能力を調べる検査です。呼吸困難や慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息の検査に用います。

胸部レントゲン検査

肺病変の診断に多くの情報をもたらしてくれます。肺がんや肺炎、気胸や胸水や心不全の状況などがわかります。但し、胸部レントゲンは胸部全体を1枚の写真に投影しますので、心臓の陰にある病変や淡い影の肺がんは評価が困難です。

胸部CT検査

肺がん、肺炎、結核、非結核性抗酸菌症、間質性肺炎、縦隔腫瘍、気胸、胸膜炎、胸水、胸壁腫瘍などの診断に役立つ検査で、外来で当日すぐに検査が可能です。胸部を全て輪切りにした画像で評価するので、胸部全体の詳細な検査が行えます。

胸部MRI検査

縦隔や胸壁の病変の評価に使用します。

全身がん検査DWIBS(ドゥイブス)検査

全身にがんがあるかどうか調べるMRI検査です。肺の陰影ががんの可能性が高いかどうか評価に使用します。また、がん患者さんが全身のどこかに転移があるかを調べる検査です。

各種レントゲン検査

一般内科と同様に全身症状に応じたレントゲン検査を呼吸器内科でも行っています。 胸腹部のCT、腹部超音波検査、心臓超音波検査、24時間心電図記録なども必要に応じて随時行っていきます。

呼吸器内科の主な疾患

咳について

咳は、吸入された異物や気管支に出来た痰を排出し、気道粘膜を障害から守る生体防御反応であり重要な役割を持っています。しかし、過剰な咳は体力の消耗や日常生活の支障となり、生活の質を低下させます。なお、咳のことを咳嗽(がいそう)、たんのことを喀痰(かくたん)ともいいます。

咳の原因はさまざまで、風邪やインフルエンザや結核などの感染症、喘息やアレルギーなどのアレルギー性疾患、肺がんなどの腫瘍などがあります。

咳はその持続期間によって、3週間未満の急性咳嗽、3週間以上の遷延性咳嗽、8週間以上の慢性咳嗽に分類されます。また、咳は、痰を伴う湿性咳嗽と、痰を伴わない乾性咳嗽に分類されます。ですから、8週間以上持続した痰を伴わない咳を慢性乾性咳嗽といいます。

咳の診断は、症状や持病、服用している薬などの問診と、胸部X線検査や胸部CT検査、血液検査、喀痰検査などの客観的な検査によって行われます。

咳の治療は、原因となる疾患に応じて行われます。一般的には、鎮咳薬や去痰薬、気管支拡張薬などが用いられます。

【詳しい情報は 咳の基礎知識喘息の基礎知識 をご覧ください】

咳喘息について

咳喘息とは、咳が主な症状の喘息の一種です。気道が過敏になって、ほこりやダニ、花粉、タバコの煙などの刺激に反応して咳が出ます。咳は2か月以上続き、市販の咳止めや風邪薬では効果がありません。咳喘息は放置すると本格的な喘息に進行する可能性があるので、早めに治療が必要です。

咳喘息の診断は、症状や持病、服用している薬などの問診と、胸部X線検査や胸部CT検査、肺機能検査、血液検査などの客観的な検査によって行われます。

咳喘息の治療には、気管支拡張薬や吸入ステロイド薬を使います。気管支拡張薬は、狭くなった気道を広げて呼吸を楽にする薬です。吸入ステロイド薬は、気道の炎症を抑える薬です。これらの薬は医師の処方箋が必要です。咳喘息は再発しやすいので、治療をすぐに止めずに継続することが大切です。

【詳しい情報は 咳の基礎知識喘息の基礎知識 をご覧ください】

喘息について

喘息とは、気道の慢性的な炎症が原因で、咳や痰、息苦しさ、喘鳴(ぜいめい:呼吸時に肺の音がでる)、胸苦しさなどの症状があらわれる病気です。喘息の症状は発作的にあらわれ、夜〜早朝、季節の変わり目に起こりやすいことが特徴です。なお、喘息は気管支喘息とも呼びます。

喘息の診断は、症状や医師の診察と、呼吸機能検査やアレルギー検査などの客観的な検査によって行われます。呼吸機能検査では、肺活量や一秒量(1秒間で吐ける空気の量)などを測定し、換気障害の程度を測定します。アレルギー検査では、血液中の好酸球数やIgE抗体(アレルギー反応に関係するタンパク質)の量や種類を調べます。

喘息の治療目標は、症状がなく、呼吸機能が正常な状態で日常生活を送れるようにすることです。発作を予防するために気道の炎症を抑える吸入薬や気道を広げる薬を毎日定期的に使用する必要があります。

【詳しい情報は 咳の基礎知識喘息の基礎知識 をご覧ください】

血痰について

咳に伴って痰の中に血液が混じっている状態が血痰(けったん)です。咳で血液だけが出た状態は喀血といいます。血痰の原因の多くは気管支炎であり、鼻血やのどや口の出血が気管支に入り、血痰として出ることもしばしばあります。これ以外に気管支拡張症や結核などの既存の肺病変に感染が起こり出血することや、肺がんなどの腫瘍性病変があって出血することもあります。

喀血があると驚いてしまいます。100ml以上の喀血を大量出血と考えますが、おちょこ一杯とかコップ一杯くらいと表現すると量の目安が分かり易いです。

検査は胸部レントゲン検査や胸部CT検査が行われて原因検索を行います。治療は原因疾患に応じて対応しますが、症状に対しては内服薬を使用します。大量喀血では、血管内カテーテルを用いた動脈塞栓術が行われます。

非結核性抗酸菌症について

非結核性抗酸菌症は土壌や水回りなどの環境に常在する環境菌であり、人から人への感染は起こりません。非結核性抗酸菌は抗酸菌の一種であり、抗酸菌には、結核菌とらい菌と非結核性抗酸菌があります。非結核性抗酸菌は言いにくいので、NTMとも呼びます。

非結核性抗酸菌症として多くの菌が報告されていますが、最も頻度が高い菌がマイコバクテリウム・アビウムとマイコバクテリウム・イントラセルラーレです。この2つを合わせてMACと呼びます。ですからアビウムかイントラセルラーレによる肺感染を肺MAC症と呼びます。

非結核性抗酸菌症は無症状のことが多く、健診で胸部異常陰影を指摘されて発見されることがしばしばあります。自覚症状としては咳やたんが多くみられ、進行すると血痰や喀血、呼吸困難などを呈します。本症は中年女性に急増しており、右肺中葉と左肺舌区に気管支拡張症と粒状性や小結節影を認めます。

検査は胸部レントゲン検査、CT検査で疾患を疑い、血液検査や喀痰細菌検査が行われます。非結核性抗酸菌症の原因菌の発見が困難な時は胃液検査や気管支鏡検査が行われます。治療は薬物治療が中心です。

【詳しい情報は 非結核性抗酸菌症 をご覧ください】

肺炎について

肺炎は様々な原因で起こります。細菌やウイルスやアレルギーでも肺炎は起こります。ウイルスによる肺炎は新型コロナによる肺炎が有名になりました。肺炎の中でも多いのが細菌による細菌性肺炎です。肺炎の主な症状は、発熱や、咳や痰、息切れなどです。

自宅で普通に生活していた人がかかる細菌性肺炎を市中肺炎といいます。市中肺炎では、肺炎球菌やインフルエンザ菌、マイコプラズマ肺炎が多くみられます。マイコプラズマ肺炎は非定型肺炎の一つで、元気な比較的若い方(60歳未満)がかかり易く、咳が強くたんが少ないなどの特徴があります。

検査は胸部レントゲン検査や胸部CT検査、血液検査、細菌検査などが行われます。治療は原因によって抗生物質等が使用されますが、必ずしも最初から原因がわかるわけではありません。肺炎は高齢者や体力のない方、重症度の高い方にとっては非常に危険な病気ですから入院での治療が必要となります。

アレルギー性疾患

アレルギーの関与する疾患は多く存在します。呼吸器疾患の中では、喘息や咳喘息、好酸球性肺炎、過敏性肺炎などがあります。

過敏性肺炎の原因はカビ、細菌、鳥の糞や羽毛、イソシアネート(建材)などがあり、原因によって夏型過敏性肺炎、住居関連過敏性肺炎、鳥関連過敏性肺炎・鳥飼病、農夫肺、塗装工肺、加湿器肺などと呼ばれています。

検査は問診と血液検査、胸部レントゲン検査、胸部CT検査、抗原検索のための免疫学的検査などがあります。

治療の原則は抗原を避けることですが、様々な薬物も使用されます。

睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に頻繁に呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。呼吸が止まると、体に酸素が行き渡らず、睡眠の質が低下したり、心臓や脳に負担がかかったりします。また、昼間寝てしまうことや、交通事故の原因になるかもしれません。睡眠時無呼吸症候群はSASと呼ばれます。

睡眠時無呼吸症候群には、閉塞性と中枢性の2種類があり、多くは閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。閉塞性は、肥満や形態的な理由で上気道が塞がることで呼吸が停止します。中枢性は、脳からの呼吸指令が正常に伝わらないことで起こります。

睡眠時無呼吸症候群の検査には、自宅でできる簡易検査と、専門機関で行う詳細検査があります。簡易検査では、指に装着する機器で血中酸素飽和度や脈拍数を測定します。詳細検査では、ポリソムノグラフィーという方法で、脳波や筋電図などを記録します。詳細検査は、入院で行います。

睡眠時無呼吸症候群の治療には、生活習慣の改善やマウスピースの使用などがありますが、最も一般的な方法はCPAPという呼吸器をつけて寝ることです。CPAPは、上気道に適度な圧力をかけてのどの閉塞を開けておくことで、無呼吸を防ぎます。

【詳しい情報は 睡眠時無呼吸症候群 をご覧ください】

慢性閉塞性肺疾患について

慢性閉塞性肺疾患とは、喫煙や大気汚染などによって気道や肺胞に炎症や破壊を起こし、呼吸がしにくくなる病気です。圧倒的に男性に多く、男性の死因の原因となる重要な疾患です。慢性閉塞性肺疾患はCOPDと呼ばれます。

慢性閉塞性肺疾患の主な症状は、動いた時の息切れ、これを労作時呼吸困難といいます。その他、咳、痰などです。慢性閉塞性肺疾患の診断は、肺機能検査や胸部X線検査、胸部CT検査などで行われます。慢性閉塞性肺疾患の治療は、禁煙が最も重要で、吸入薬や酸素療法なども用いられます。

間質性肺炎について

肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚くなるために酸素が取り込みにくくなる病気です。症状としては咳や呼吸困難があります。診断は、血液検査(KL-6、SP-D)、胸部X線検査、胸部CT検査、呼吸機能検査、気管支鏡検査や胸腔鏡手術による検査などで行われます。

間質性肺炎の原因は膠原病やサルコイドーシスなどの全身疾患によるもの、種々の吸入物質によるもの、原因不明のものがあります。膠原病があるかどうかを調べるために、血液検査で免疫の状況や様々な自己抗体の有無を調べます。原因が特定できない間質性肺炎を、「特発性間質性肺炎」といいます。

サルコイドーシスについて

サルコイドーシスは全身に様々な病変を生じる疾患です。呼吸器臓器の発症が多く、肺門リンパ節腫大や肺病変を起こします。目、皮膚、心臓、神経に病変が起こることもあります。検査は胸部レントゲン検査、胸部CT検査、採血検査(ACE、IL-2)、眼科診察などがあります。

肺がんについて

肺がんの多くは胸部レントゲン検査や胸部CT検査で発見されます。咳や呼吸困難等の自覚症状で発見された場合は進行した肺がんのことが多いです。はっきりとした陰ではなく、薄いすりガラスのような陰影を呈する肺がんがありますが、これは胸部レントゲン検査では発見は困難で、胸部CT検査を行うことが必要です。淡い影なのでなかなか肺がんと診断されない事もあります。

肺がんは病理学的にはさまざまな種類に分類され、腺がん、扁平上皮がん、神経内分泌腫瘍、大細胞がん、腺扁平上皮がんなどがあります。T期やU期の肺がんは手術療法を選択します。V期やW期の肺がんは免疫療法、化学療法(抗がん剤)、放射線療法、手術療法を組み合わせて治療します。

転移性肺がんとは他臓器がん(大腸がん、子宮がん、喉頭がん、など)から肺に転移したがんです。転移性肺がんの治療は元のがんの主治医と相談する必要があります。

気胸について

気胸の多くは自然気胸であり、自然気胸は突然に肺が破れて空気が漏れる病気です。症状は呼吸困難や胸痛です。原因の多くは肺にできたブラという袋の破裂です。自然気胸以外の気胸には外傷性気胸、月経時に起きる月経随伴性気胸、肺気腫や肺線維症に起こる続発性気胸があります。

胸痛や呼吸困難があると胸部レントゲン検査や胸部CT検査を行います。

気胸の救急処置として、軽症では経過観察、中等症ではチューブ挿入を行います。多くはこれだけで軽快し普通の生活に戻ることができます。

再発予防のために手術を行います。自然気胸手術は、内視鏡手術です。肺の破れる原因となったブラの切除とその部分の被覆を行います。

【詳しい情報は 気胸の基礎知識 をご覧ください】

胸腺腫や縦隔腫瘍について

胸腺腫や縦隔腫瘍は胸にできる腫瘍です。胸部レントゲン検査や胸部CT検査で腫瘍が発見されても、正確な診断は困難です。

生検や手術を実施した後に詳細な病理検査を行います。その結果、胸腺腫、リンパ腫、のう腫などの診断が確定します。神経から発生する神経原生腫瘍もあります。縦隔腫瘍にはこの他、胸腺がん、胸腺のう腫、心膜のう腫、胚細胞性腫瘍、精上皮腫(セミノーマ)、胎児性がん、卵黄のうがん、リンパ腫などがあります。

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